なぜ奈良なのか

見学記

奈良といえば、大昔、修学旅行で訪れたことがあるけれど、覚えていることはと言えば、鹿から横取りしてたべた鹿せんべいの、ぱさぱさポロポロした味気なさ位。あまり学校の歴史で習った記憶もありません。ま、それは、まったく別の役に立たないことに興味をひかれていただけでしょう。

しかし、最近になって、奈良時代やそれ以前の大和、古墳時代といった時代のことをもう少し知りたいと思うようになりました。日本という国の形が決まった時代、もう少し関心を持ってもよかったなと思ています。

そんな訳で、今回、奈良旅行が実現して喜んでいます。

日本書紀の現代語訳を少しめくってみると、知らないことばかりで驚きます。これを頭からしっぽまで鵜呑みにして歴史がわかるわけではないでしょうが、平城京遷都など奈良時代が確立した頃につくられた書物です。後に栄華を極めた藤原氏の基盤を確立した藤原不比等が編纂を命じたといわれています。なので、少なくともその当時の人の考え方や時代認識などは、かなり伺い知ることができます。

聖徳太子の事績や大化の改新の言い伝えなども、ほとんどは日本書紀に書かれたことが根拠となっています。ただ頭から信じたり、否定するのではなく、登場人物の扱い、当時の国際関係、社会の成り立ち、思想や文化の変遷などとの関係で見ていくと日本という国の成り立ちを、少しはのぞけるような気がしてきます。

そんな訳で大阪の大半が海で、奈良も湿地が広がり、そこここで古墳が作られるようになった時代から、広壮な寺院や仏像が作られ、海外の文化が入って平城京を中心に天平文化が花開くころまで、歴史の舞台となった奈良を歩いて、何かを感じてみたいと思います。

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