奈良ホテル

見学記
奈良ホテル正面入り口

奈良ホテルは1909(明治42)年に開業しました。日露戦争に勝利して外国人旅行者が急増し、政府はホテル・旅館の経営を奨励しました。奈良ホテルは西の迎賓館と言われ、各国の王族や大統領など国賓や天皇陛下をはじめとする皇族、俳優のチャップリンや物理学者のアインシュタインなど多くの賓客が利用しています。

奈良ホテルの建設は鉄道院が行いました。鉄道院は、鉄道省の前身で鉄道の運営や建設にあたった当時の内閣の直属組織です。建設費用は鹿鳴館の2倍の35万円をかけたそうです。建設について当時の県会(今で追う県議会)の「建物新築に際しては、古建築との調和を保持すべし」という決議を受け、和洋折衷様式を採用、周囲の景観と調和した建物が計画されました。 

設計者は、東京駅や日本銀行本店など、名だたる名建築を手がけ、日本の近代建築の父とも言われる辰野金吾です。西洋の建築を学び洋風の名建築を残した辰野金吾ですが、和風建築でも素晴らしい作品を残しており、和洋折衷の名建築としてこの奈良ホテルは高く評価されています。

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